ChromHMMの続き

 前回に続きChromHMMの実装を行い、隣接ベクトル・状態の定義、エントロピーの計算をプログラムし、各状態に分けて文章を出力する部分まで実装できました。エントロピーの計算の部分でデバッグしていたところ、計算用の関数に一部バグがあったので、入力された数が0だったときの処理と、符号を正しました。

sub entropy {
my $x = shift;

if ($x ==0) {
return 0;
}

return $x * log($x) / log(2);
}

という感じのサブルーチンで計算しています。
 一応状態数を5つにして、各行を分けることができるようになりました。「転写共役因子CITED2はホルモンに応答し転写コアクチベーターPGC-1αのアセチル化を調節して肝臓における糖新生を制御する」のレビューに適応したところ、以下の感じになりました。

状態0:
今回,筆者らは,グルカゴンにより発現の誘導される転写共役因子CITED2が転写コアクチベーターPGC-1αを活性化し,絶食時の糖新生系の酵素の発現を上昇させるこ
とを見い出した
また,インスリンがCITED2とGCN5との相互作用を阻害し,GCN5によるPGC-1αのアセチル化を促進して糖新生を抑制することも明らかにした

状態1:
肝細胞においてCITED2を免疫沈降しそのユビキチン化を検討したところcAMP処理によりユビキチン化の低下がみられ,CITED2の増加の少なくとも一部はユビキチ
ン化の低下による分解抑制によるものと考えられた
 CITED2が肝臓において糖新生酵素の発現を介し血糖値を制御していると考えられたので,その分子機構について検討した…

状態2:
逆に,CITED2の過剰発現によりG6pc遺伝子およびPck1遺伝子の発現は上昇し糖の産生は著明に増強した
さらに,CITED2ならびにCR2ドメインを欠損したCITED2変異体についてPGC-1αのコアクチベーター活性への影響をG6pc遺伝子プロモーターアッセイによ
り検討したところ,いずれもコアクチベーター活性を増強した

状態3:
CITED2によるPGC-1αの活性化は,PGC-1αをアセチル化により不活性化するGCN5とCITED2とが複合体を形成し,PGC-1αのアセチル化を抑制する
ことにより起こることも明らかにした
一方,GCN5のヒストンアセチル化活性に対するCITED2の効果をヒストンH3を基質としたHATアッセイにより検討したところ,CITED2の過剰発現はGCN5の
活性を抑制しないことが明らかになった

状態4:
 マウスの肝臓におけるCITED2の量は,絶食時ならびにグルカゴンの腹腔内への投与時に増加した

 まだ状態の意味についてはよく考えていないので、次回以降もうすこしプログラム・アルゴリズムをいじって考えていこうと思います。